ヒアルロン酸注入で最初に伺うのは、「若返りたい」のか「綺麗に見せたい」のか、ということです。どちらを目指すかで、入れる部位が大きく変わるからです。
若返りを希望される方には、目の下やゴルゴライン、ほうれい線など、顔の中心部を中心に考えます。年齢とともに頬の骨が萎縮し、頬の頂点が少しずつ下がってくるため、そこを整えることが若々しい印象につながります。こめかみや額のくぼみ、頬のこけを整えることは、若返りと綺麗に見えることの両方に役立ちます。そして綺麗に見せたい方に私が一番おすすめすることが多いのは顎です。顎は、顔の輪郭の印象を大きく左右します。
ヒアルロン酸で最も注意すべき合併症は、血管閉塞です。起こりやすい部位はある程度決まっているため、その解剖を正しく理解することが何より大切だと考えています。私はアラガン社が用意する解剖の専門家による講習をマンツーマンで受け、血管の走行だけでなく、なぜ閉塞が起きるのか、視力障害に至るのはどういう仕組みなのか、それを避けるにはどう打てばよいのかまで学んできました。実際の施術では、リスクの高い部位ではカニューレを選ぶ、少量ずつゆっくり入れる、まとめて注入する際は必ず血液の逆流がないか確認する、圧をかけすぎない、といった点を徹底しています。
もうひとつ大切にしているのが、左手の人差し指の感覚です。目では見えない細かな凹凸を指先で感じ取りながら、量や位置を調整しています。この感覚は言葉では伝えられず、経験を重ねることでしか身につきません。
ヒアルロン酸は、担当する医師の経験によって仕上がりが変わりやすい治療です。カウンセリングでは、担当医の経験や考え方も、遠慮なく聞いてみてください。