ボトックス注射 / 肩
肩のボトックス注射
僧帽筋の上部にボツリヌストキシン製剤を注入し、筋肉の働きを一時的に弱める治療です。肩から首すじにかけての張り感や、肩まわりの見え方について相談できます。肩の張り感には筋肉以外の原因が関係していることもあるため、まず原因の確認から行います。
01肩のボトックス注射で相談が多いこと
- 肩や首すじの張り感が続いている
- 肩から首にかけてのラインが盛り上がって見える
- デスクワークなど同じ姿勢が続くと、夕方に張りが強くなる
- マッサージや施術を受けても、しばらくすると戻ってしまう
- 歯を食いしばる、肩に力が入っている、と指摘されたことがある
いずれの場合も、僧帽筋の緊張がどの程度関係しているかを診察で確認したうえで、治療の対象になるかを検討します。
02適応を検討する場合/検討しない場合
検討する場合
- 診察と触診で、僧帽筋上部の緊張や発達が確認できる
- 肩まわりの見え方について、筋肉の張りが関係していると考えられる
- 神経や筋肉の疾患がなく、全身の状態に問題がない
検討しない、または慎重に判断する場合
- 腕のしびれ、力が入りにくいなど、神経の症状をともなう
- 頸椎の疾患や、整形外科的な原因が疑われる
- 姿勢、睡眠、眼精疲労、内科的な要因が主な背景と考えられる
- 肩まわりの見え方の主な要因が、骨格や皮下脂肪にある
- 神経・筋肉の病気がある、妊娠中・授乳中である
- 他院を含め、短期間のうちにボツリヌストキシン治療を受けている
症状の内容によっては、注入治療より先に整形外科や内科での評価をおすすめする場合があります。診察の結果、この治療をお受けいただけないことがあります。
03この部位の検討ポイント
肩は骨格筋であり、表情筋の治療とは考え方が異なります。診察では次の点を確認します。
- 張りの左右差/利き手や日常動作による偏り
- 触診での筋の厚みと硬さ/注入する範囲の設定
- 姿勢と肩の位置/筋以外の要因がどの程度関与しているか
- 日常生活や運動の内容/重いものを扱う仕事、スポーツの有無
- 過去の治療歴と、そのときの反応
骨格筋の治療では必要な単位数が多くなりやすい一方、量を増やせばよいというものではありません。目的と体への影響のバランスを見ながら、量と範囲を検討します。
山中医師が避ける場所:鎖骨上窩
肩ボトックスでは、鎖骨のすぐ上のくぼみ(鎖骨上窩)への注射を避けます。肺の上端や胸膜が近く、針による損傷で気胸が起こる危険があるためです。
この記載は山中医師から確認した方針です。ほかの場所であれば安全という意味ではありません。個々の解剖と施術条件を確認して判断します。
04効果の経過とダウンタイム
注入直後が最終的な状態ではありません。数日から二週間ほどかけて徐々に変化し、その後の状態をあらためて確認します。効果の持続期間は製剤・注入量・部位・個人差によって異なり、一定の期間を保証するものではありません。
ダウンタイム
- 注射部位の痛み、赤み、腫れ、内出血が生じることがあります
- 内出血が出た場合、消えるまでに一〜二週間ほどかかることがあります
- 施術当日の運動・入浴・飲酒や施術部位への刺激については、使用する製剤と施術内容に応じた説明に従ってください
重要な予定の直前は避けてご予約いただくことをおすすめしています。
05受ける前に知っておきたいリスク・副作用
注入治療に共通するもの
痛み、赤み、腫れ、内出血、左右差、アレルギー反応。
肩(僧帽筋)に関係するもの
- 肩や首まわりに力が入りにくく感じる、重いものを持ち上げにくい
- 首を支えにくい感じ、頸部の違和感
- 頭痛、肩のだるさ
- 効果の左右差、肩のラインの左右差
- 注入した部位から離れた場所の筋力低下(まれ)
- 針が胸膜を傷つけると、気胸(肺がしぼむ状態)が起こる危険があります。施術後に息苦しさ、胸の痛み、息を吸ったときの痛みが生じた場合は、時間の経過を待たずに直ちにご連絡ください
- 中和抗体が生じ、効果が得られにくくなる場合があります。高用量や短い間隔での反復が抗体形成に関係する可能性があるため、効きにくさを理由に安易に増量・追加しません
効きにくさには中和抗体以外の原因もあります。過去の製剤名・量・注射間隔・効果を確認し、追加の適否を判断します。肩と表情筋の抗体発生率を一律に比較することはできません。
次の症状が現れた場合は、様子を見続けずに直ちに施術した医療機関へご連絡ください。
飲み込みにくい、息が吸いにくい、話しにくい、全身の力が入りにくい、ものが二重に見える。これらは注入部位から離れた場所にボツリヌストキシンの作用が及んだ可能性を示す症状です。また、息苦しさや胸の痛みは気胸の可能性もあります。緊急性のある症状は、119番を含む救急対応が必要です。
必ず事前にお知らせいただきたいこと
- 神経や筋肉の病気(重症筋無力症、ランバート・イートン症候群、筋萎縮性側索硬化症など)
- 妊娠中・授乳中、妊娠の可能性
- 服用中のお薬(筋弛緩薬、一部の抗菌薬、血液をさらさらにするお薬など)
- アレルギー歴
- 他院を含む、これまでのボツリヌストキシン治療の時期・部位・製剤・量
効果が足りないと感じても、自己判断で短期間に追加の注入を重ねることは避けてください。治療した医療機関へご相談ください。
06料金・治療期間
肩(僧帽筋)のボツリヌストキシン注射/骨格筋 自由診療・税込
- ビエノックス 200単位 9,000円 / 300単位 13,500円
- イノトックス 200単位 11,000円 / 300単位 16,500円
- ボトックスビスタ 200単位 88,000円 / 300単位 132,000円
当院の標準的な使用量 200〜300単位を目安に診察で判断します。
掲載した施術料金の範囲 9,000円〜132,000円(1回)。下記の追加費用は別途です。
この料金表は用量の推奨ではありません。製剤ごとの単位はそのまま比較・換算できません。左右の配分と総量は診察で判断します。
そのほかに生じる費用 初診料・再診料 無料/医師指名料 5,500円/山中医師指名料 8,800円/当日・無断キャンセル料 5,500円
カウンセリング料は3,300円です。5,500円以上の施術契約、または化粧品・サプリメント等の購入で無料になります。
麻酔を使用する場合の料金(税込)
- ブロック麻酔:5,500円(3部位まで)
- 表面麻酔:5,500円
- 笑気麻酔:30分 11,000円
麻酔の選択・必要性は施術内容と診察によって異なります。使用する麻酔と追加料金を施術前にご説明します。
治療期間と回数 1回の施術ごとに治療を行います。効果は一時的で、時間の経過とともに筋肉の働きは戻ります。継続をご希望の場合も間隔を詰めず、診察のうえで次回の時期を判断します。
本治療は自由診療(自費診療)です。公的医療保険は適用されません。必要な単位数と総額は診察後に確定し、施術前にご確認いただきます。
07相談から施術まで
- ご希望と治療歴の確認
気になっている症状、これまでに受けた治療、残したい動きをお聞きします。 - 診察と治療内容の検討
筋の状態を確認し、適応の有無、注入する範囲と量を検討します。 - 費用と注意事項の確認
総額、リスク、施術後の注意点をご確認いただいたうえで判断していただきます。
08肩のボトックス注射のよくある質問
肩こりは必ず軽くなりますか?
いいえ。筋肉の緊張が背景にある場合には変化が期待できますが、肩の張り感には頸椎、姿勢、眼精疲労、睡眠、内科的な要因など、筋肉以外の原因が関係していることもあります。診察で原因を確認したうえで、この治療が適しているかを検討します。
一度受ければ効果は続きますか?
効果は一時的です。時間の経過とともに筋肉の働きは戻ります。持続期間は製剤・量・部位・個人差によって異なり、一定の期間を保証するものではありません。次回の時期は、状態を確認しながらご相談します。
肩のラインは細くなりますか?
筋肉の張りが見え方に関係している場合には、変化を検討できます。一方で、骨格の形、皮下脂肪、姿勢が主な要因である場合、この治療では対応が難しく、期待される変化が得られないことがあります。診察でどの要因が関係しているかを確認します。
運動やトレーニングに影響しますか?
一時的に力が入りにくく感じることがあります。重いものを扱うお仕事の方、競技としてスポーツをされている方は、時期や量の検討が必要ですので、必ず事前にお知らせください。
他院でボトックスを受けた後でも相談できますか?
ご相談いただけます。受けた時期、部位、製剤名、単位数がわかる範囲でお持ちください。前回からの間隔が短い場合、今回の治療をお受けいただけないことがあります。
09使用する医薬品と承認状況について
自由診療であること
このページでご案内する美容目的の治療は自由診療(自費診療)です。公的医療保険は適用されません。
使用する製剤
ビエノックス、イノトックス、ボトックスビスタ(いずれもA型ボツリヌス毒素製剤)のうち、診察のうえで選択します。
未承認医薬品であること/承認範囲外の使用であること
ボトックスビスタは国内で承認された医薬品ですが、2026年8月改訂の電子添文では、注用50単位の効能・効果は「65歳未満の成人の眉間又は目尻の表情皺」および「65歳未満の成人の咬筋膨隆」、注用100単位は「65歳未満の成人の咬筋膨隆」です。本ページで解説する肩(僧帽筋)への美容目的の注射は、承認された効能・効果の範囲外の使用(適応外使用)にあたります。
ビエノックスおよびイノトックスは、日本国内で薬機法上の承認を受けていない未承認医薬品です。
入手経路
ボトックスビスタはアラガン社から直接仕入れています。ビエノックス・イノトックスは、当院医師が韓国から個人輸入しています。個人輸入される医薬品等のリスクについては、厚生労働省の「個人輸入される医薬品等について」もあわせてご確認ください。
国内の承認医薬品の有無
国内では、同一成分(A型ボツリヌス毒素)の製剤としてボトックスおよびボトックスビスタが承認されています。ただし、肩(僧帽筋)への美容目的の使用を効能・効果として承認された製剤は、国内にはありません。
諸外国における安全性等に係る情報
米国のBOTOX Cosmeticの処方情報では、注射した部位から離れた部位へ作用が広がり、嚥下障害や呼吸障害を含む重篤な症状が生じうるとして強い警告(Boxed Warning)が記載されています。死亡例の報告もあります。海外の承認状況と日本での承認状況は異なります。
公的制度の取扱い
本治療は公的医療保険の対象外です。国内未承認の医薬品による健康被害は医薬品副作用被害救済制度の対象外です。国内承認薬でも、原則として承認された効能・効果、用法・用量、使用上の注意に従わない使用は救済対象になりません。個別の取扱いはPMDAの救済制度相談窓口で確認します。
希望する治療を、相談する。
平日 11:00〜20:00 / 土日祝 10:00〜19:00
治療内容に関するお問い合わせ先
DMTC CLINIC 日本橋院
東京都中央区日本橋3-6-2 日本橋フロント B1
電話:03-6910-3820(診療時間内)
治療内容に関するお問い合わせは上記窓口へ。ほかの院の連絡先は各院案内をご覧ください。
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11参考情報
下記は製剤そのものに関する海外の添付文書等です。本ページで解説する肩(僧帽筋)への美容目的の使用は、米国処方情報の適応にも含まれていません(適応外使用)。米国処方情報では、注射部位から離れた部位への作用の広がりについて枠組み警告が付されています。