エラボトックスは、当院でも相談の多い治療です。ただ、ここだけの話、カウンセリングで「今回はやめておきましょう」とお伝えすることもときどきあります。エラボトックスは、咬筋(噛む筋肉)の発達が原因のエラにだけ働く治療だからです。
まず確認するのは「何でエラが張って見えるか」
診察では、歯を食いしばっていただき、顎の外側が硬く盛り上がるかを触って確かめます。盛り上がりがはっきりしていれば、咬筋が関係している可能性があります。一方、エラの見え方の主な原因が骨の形や皮下脂肪、皮膚のたるみにある場合、エラボトックスでは変化しません。
私がおすすめしない人
40代以降で、すでに軽いたるみがある方 エラボトックスを続けると、咬筋が小さく薄くなります。すると頬を支える力が弱まり、たるみが目立つようになって、結果として老けて見えることがあります。小顔を目指したはずが老けて見えてしまっては意味がないので、この場合はおすすめしていません。
顔まわりの脂肪が少なく、頬がこけて見えそうな方 同じ理由で、やつれた印象になるリスクがあります。
顎関節の痛みや口の開けにくさがある方 歯科口腔外科での評価を優先していただくことがあります。
そもそもエラの筋肉が少ない方 エラボトックスは、発達した咬筋を小さくする治療です。もともと咬筋が少ない方は、打っても結果が出にくいため、おすすめしていません。
避けるのは「前方」と「浅い層」
打つときは、歯を食いしばっていただいて咬筋の範囲をマーキングします。そのうえで避けているのが、エラの前方と浅い層です。咬筋の前方や浅いところには、笑うときに使う筋肉が近くにあり、ここに効いてしまうと笑顔がぎこちなくなることがあるためです。
変化はゆっくり
見え方の変化を感じるまで、数週間から1か月以上かかることがあります。大切な予定がある方は、1か月前まで、初めての方は2か月前までを目安にしてください。硬いものが一時的に噛みにくくなることもあるので、お仕事や生活の予定も教えてください。
製剤ごとの単位は単純に換算できません。必要な量は診察で判断します。ボトックスビスタには65歳未満の成人の咬筋膨隆に対する国内承認がありますが、承認された用法・用量の確認が必要です。ビエノックス・イノトックスは国内未承認の医薬品です。
注入治療は自由診療(保険適用外)です。効果や経過には個人差があります。最新の費用、主なリスク・副作用、未承認製剤・適応外使用の説明は各治療ページをご確認ください。
