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施注担当医師向け
施注担当医師が筋肉・周囲組織の位置関係を確認するための参考資料です。
本モデルは解剖学的位置関係の理解を補助する簡略図です。個体差や正確な距離・深度を再現したものではなく、注入位置・投与量の指示や施術手順書ではありません。
首の前面を覆う「広頚筋」と、その周りにある表情筋、飲み込み・発声・呼吸に関わる筋肉、重要な血管や神経の位置関係を3Dで確認できます。
操作方法:1本指(マウスはドラッグ)で回転、2本指でピンチ拡大・移動、パソコンではマウスホイールで拡大できます。見やすさのため右側のみ表示しています。
広頚筋(こうけいきん)は、首の皮膚のすぐ下にある薄い膜のような筋肉です。鎖骨の少し下(胸の上部)から始まり、首の前面から側面を広く覆いながら上に向かい、下あごの縁を越えて口角や下唇のまわりの筋肉と混ざり合っています。
主な働きは、口角や下唇を下外方へ引くこと、首の皮膚を緊張させることです。顔の表情筋の仲間で、顔面神経の枝(頚枝)によって動かされます。年齢とともに、首の前に縦に走る「すじ(プラチスマバンド)」が目立ってくるのは、この筋肉の張りや皮膚のゆるみが関係しています。
広頚筋のすぐ深い層には、飲み込む・話す・呼吸するといった生命に直結する動作を担う筋肉が集まっています。
| 筋肉 | 主な働き |
|---|---|
| 顎二腹筋 | 舌骨を引き上げ、口を開ける動きを助けます。前腹と後腹の2つの部分からなります。 |
| 顎舌骨筋 | 口の底(口腔底)をつくる筋肉です。舌を持ち上げ、飲み込みの最初の段階を担います。 |
| 筋肉 | 主な働き |
|---|---|
| 胸骨舌骨筋 | 舌骨を下に引き、飲み込んだ後に元の位置へ戻します。 |
| 胸骨甲状筋 | 甲状軟骨(のどぼとけ)を下に引き、声の高さの調整や喉頭の安定に関わります。 |
| 甲状舌骨筋 | 舌骨と甲状軟骨を近づけ、飲み込むときに喉頭を持ち上げます。 |
| 肩甲舌骨筋 | 舌骨を下外方へ引きます。胸鎖乳突筋の下を斜めに通ります。 |
のどの後ろ側を取り囲む筋肉で、上から順に縮むことで食べ物や飲み物を食道へ送り込みます。
口のまわりには多くの小さな表情筋があり、口角の外側にある「モダイオラス(口角結節)」という結び目に集まっています。これらが協調して、笑う・話す・食べる・飲むといった動きをつくります。
| 筋肉 | 主な働き |
|---|---|
| 口輪筋 | 口のまわりを輪状に囲み、口を閉じる・唇をすぼめる。発音や飲み物を口にとどめるのに重要です。 |
| 口角下制筋 | 口角を下に引き、への字口をつくります。 |
| 下唇下制筋 | 下唇を下外方へ引きます。 |
| オトガイ筋 | あご先の皮膚を持ち上げ、下唇を突き出します。あごの「梅干しじわ」に関係します。 |
| 笑筋 | 口角を真横に引きます。咬筋の表面を横切って口角に付きます。 |
| 大頬骨筋 | 口角を外上方へ引き上げ、笑顔をつくる中心的な筋肉です。 |
| 小頬骨筋 | 上唇を外上方へ引き上げます。 |
| 上唇挙筋 | 上唇を引き上げます。 |
| 口角挙筋 | 口角を上に引き上げます。大頬骨筋より深い層にあります。 |
| 頬筋 | 頬を歯に押し付け、食べ物を歯の上に戻したり、息を吹いたりするときに働きます。 |
口輪筋や下唇下制筋などの働きが弱まると、発音しにくくなったり、飲み物が口からこぼれやすくなったりすることがあります。
| 名称 | 位置と特徴 |
|---|---|
| 顔面神経 下顎縁枝 | 下あごの縁に沿って走る細い神経で、下唇を下げる筋肉を動かします。傷つくと口元の動きに左右差が出ることがあり、首や下顔面の処置で特に注意される部位です。 |
| 顔面神経 頚枝 | 広頚筋を動かす神経です。 |
| 大耳介神経 | 胸鎖乳突筋の後ろから耳のほうへ上がる感覚神経です。 |
| 顔面動脈・顔面静脈 | 咬筋の前縁あたりで下あごを乗り越えて顔へ向かいます。 |
| 外頚静脈 | 胸鎖乳突筋の表面を斜めに下る静脈で、広頚筋のすぐ下にあります。 |
| 総頚動脈・内頚静脈 | 胸鎖乳突筋の深い所を通る太い血管です。 |
| 顎下腺・耳下腺 | 唾液をつくる腺です。顎下腺は下あごの下、耳下腺は耳の前にあります。 |
| 咬筋・胸鎖乳突筋 | 咬筋はものを噛む筋肉、胸鎖乳突筋は首を回したり傾けたりする筋肉です。 |
※この3Dモデルは、筋肉や組織の位置関係を理解するための簡略図です。形・大きさ・色は実際とは異なり、個人差もあります。施注部位・深度・投与量を示すものではありません。実際の診療では、個別の診察所見と信頼できる解剖資料・製剤情報を併せて確認してください。